こんな青春を送りたかった。
高橋靖子さん、通称ヤッコさん。レナウンイエイエのCMのスタイリングを手がけ、
いま数多くいる日本のスタイリストの第一号とも言える、彼女の自叙伝。
それがこの、「表参道のヤッコさん」です。
ページをひとたびめくれば、そこにはもう昭和の原宿、表参道が広がっています。
駆け出しのコピーライターから、いつのまにかスタイリストとなり、世界を飛び回っ
て活躍をしていく彼女の青春を追っているうちに、いつのまにか60、70年代の東
京を彼女と一緒に生きているような錯覚におちいり、しかし、今の東京からは消え
去ってしまった空気ー成熟してないからこその荒々しさだったり興奮だったり若々
しさだったりーそれらを決して体感することはできない今を生きる自分を、とても
残念に思ってしまうのです。
当時、彼女がコピーライターとして働いていたのは、今はGAPがある場所に建って
いたセントラルアパート(最先端を感じるためにあるような、そんな場所であったら
しい)の一室の、広告制作会社「レマン」。写真で見ると、当時の表参道には中央
分離帯もなく、高層の建物もなく、なんだかゆったりとして見えます(もちろん、そ
の頃の日本のハイセンスの集積だったんだろうけど)。
巻頭には、Tレックスの二人と写った写真や、日本で始めての大型野外ロックコンサ
ート(ピンクフロイドが出演したそうな!)での一コマ、1960〜70年代の原宿/表参
道を思い出せる限り描いた「私の心の原宿マップ」などもついています。
ページを一枚めくるたびにどきどきと胸が高鳴る、これは一人の女の子の壮大な冒険
物語。またそれとは別に、デビッド・ボウイの美しさに目を見張らせるのも一興です。
(いわあや)
Posted by paradoxparadox on 8 月 31, 2006 at 09:50 午後 カテゴリー: ぶっくりちまくり | Permalink
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