2006/09/07

SCHOOL OF DESIGN

Content01SCHOOL OF DESIGN(スクール オブ デザイン)

1996年からスタートしたGraphic Waveは、今後のデザイン界を担うデザイナー数名が
共同で作品を企画・発表するグループ展です。
11回目を迎える今年は、独自のグラフィックを確立し、進みつづける4名のクリエイ
ター古平正義、平林奈緒美、水野 学、山田英二の登場です。
(gggギャラリーのウェブより)


会場には、いま一番「かっこいい」アートディレクター4人のポスターがたくさん。
ただ、そこにあるのは気分から生まれたアートとしてのポスターではなく、
確固たるコンセプトを持ったグラフィックデザイン。


ポスターに対する解説は、会場では一切添えられていないのですが、
展示記念の本にはひとつひとつのビジュアルに解説(もとい、コンセプト)が
添えられています。


4人のアートディレクター・デザイナーの仕事上の経験から出てきた信念や、
デザイナーとして働く人へ向けたメッセージは
強烈な意志とインパクトを持っています。
350ページにも渡る言葉とビジュアルの中から、デザインの分野じゃなくても、
ものづくりをしている人誰しもが共感するメッセージが、必ずみつかるんじゃ
ないでしょうか。


「エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー

『これで一冊本が書ける』くらいなことをやってみる。
楽しんで、挫折して、余計な仕事がいいネタになる。」(小平さんのことばより)


いっぱい笑って、楽しく仕事をして、ときには挫折して、またがんばって、
すてきな人生を送りたいです。おおげさかしら。

(やまぎ)

第244回企画展
Graphic Wave 2006 古平正義、平林奈緒美、水野 学、山田英二

2006年9月1日(金)〜9月22日(金)まで。

Posted by パラドックス・クリエイティブ on 9 月 7, 2006 at 11:43 午前 カテゴリー: ぶっくりちまくり | | コメント (0)

2006/08/31

こんな青春を送りたかった。

475721229109_scmzzzzzzz__1表参道のヤッコさん

高橋靖子さん、通称ヤッコさん。レナウンイエイエのCMのスタイリングを手がけ、
いま数多くいる日本のスタイリストの第一号とも言える、彼女の自叙伝。
それがこの、「表参道のヤッコさん」です。

ページをひとたびめくれば、そこにはもう昭和の原宿、表参道が広がっています。
駆け出しのコピーライターから、いつのまにかスタイリストとなり、世界を飛び回っ
て活躍をしていく彼女の青春を追っているうちに、いつのまにか60、70年代の東
京を彼女と一緒に生きているような錯覚におちいり、しかし、今の東京からは消え
去ってしまった空気ー成熟してないからこその荒々しさだったり興奮だったり若々
しさだったりーそれらを決して体感することはできない今を生きる自分を、とても
残念に思ってしまうのです。

当時、彼女がコピーライターとして働いていたのは、今はGAPがある場所に建って
いたセントラルアパート(最先端を感じるためにあるような、そんな場所であったら
しい)の一室の、広告制作会社「レマン」。写真で見ると、当時の表参道には中央
分離帯もなく、高層の建物もなく、なんだかゆったりとして見えます(もちろん、そ
の頃の日本のハイセンスの集積だったんだろうけど)。

巻頭には、Tレックスの二人と写った写真や、日本で始めての大型野外ロックコンサ
ート(ピンクフロイドが出演したそうな!)での一コマ、1960〜70年代の原宿/表参
道を思い出せる限り描いた「私の心の原宿マップ」などもついています。

ページを一枚めくるたびにどきどきと胸が高鳴る、これは一人の女の子の壮大な冒険
物語。またそれとは別に、デビッド・ボウイの美しさに目を見張らせるのも一興です。

(いわあや)

Posted by paradoxparadox on 8 月 31, 2006 at 09:50 午後 カテゴリー: ぶっくりちまくり | | コメント (0) | トラックバック

「挑戦、敗北、挑戦の日々」

413063804109_scmzzzzzzz__2連戦連敗

パラドックスの近所にある表参道ヒルズを設計したのはご存じ、
世界の安藤忠雄。

この本は2001年に安藤忠雄が
母校、東京大学で講義した内容で、
もう1冊、「建築を語る」という、
同じく東京大学で講義した内容の本の続編です。

こんな巨匠でも今だにコンペでは連戦連敗なのだそうです。
負け続けることの中でから彼が何を学び、
そしてそれでもまた挑戦し続けることの理由を、
安藤忠雄が熱く語っています。
学生を前にしての講義の熱気が、
ビンビン伝わってくるかのようです。

世界の有名な建築物の解説はもとより、
コンペに参加し、ボツになってしまった設計案についても、
詳細に解説され、その敗因も本人から語られています。
例えば、97年にリニューアルした京都駅の
コンペ時に出した設計案などが収録されています。

あとがきで安藤忠雄はこんな事を言っています。

「どれだけ力を尽くしたところで、大抵の場合は報われない。だが、挑戦は決して無
駄ではなかったと思っている。(中略)モノをつくる、新たな価値を構築するという行
為の大前提が、この戦い、挑戦し続ける精神にあるように思う。」

安藤忠雄の熱いメッセージに、撃たれてください。

(ふかきょん)

Posted by paradoxparadox on 8 月 31, 2006 at 07:21 午後 カテゴリー: ぶっくりちまくり | | コメント (0)

2006/08/23

「世界一細長い本」は短い。

F

今回は、あの佐藤雅彦氏の本

「Fが通過します」のご紹介。

さすが佐藤さん、普通の本は作らない。

やっぱりコンセプトがちゃんとあるんですよね。

今回の本のコンセプトは「世界一細長い本」。

実に明快ですよね。

写真を見てもらえばわかりますが、

タバコの箱の側面くらいの細さです。

もともとは雑誌の端っこをジャックして始まったものが

1冊の本としてまとめらたのが、本書。

内容は、「細長さ」を有効に利用して

絵やコトバがちりばめられた、

1~2P完結の「短い」お話の集合体。

最初は「???」ってなるページもチラホラありますが、

読み進めるうちに、見方や捉え方がわかってくる。

すると、どんどん読み進めたくなるんですよね。

ちなみに僕のお気に入りの作品は「ホッチキス」。

ネタばれになるのでこれ以上は申せませんが、

とにかく、細長さだけじゃないおもしろい視点が入った名作です。

他にも「ほぉー」「へぇー」「ふぅー」となるような

脳みそをくすぐられる作品満載ですよ。

まぁ、ちょっとした息抜きに最適ですな。

是非、一度手にとってみてくださいまし。

くっつん

Posted by paradoxparadox on 8 月 23, 2006 at 03:38 午後 カテゴリー: ぶっくりちまくり | | コメント (0)

2006/08/08

5・7・5・7・7で伝えよう!

Photo_35ドラえもん短歌


だれだって
欲しいよだけど
本当は
ないものなんだ
「どこでもドア」は
(枡野浩一)

--

ドラえもんへの思いをつづった短歌本「ドラえもん短歌」。
「枡野浩一のかんたん短歌blog」に寄せられた短歌を集めてできた本です。

ドラえもん
話を聞いて
そばにいて
ひみつ道具は
出さなくていい
(麦ちよこ)

こんな風に、ドラえもんへの切ない恋心を歌ったものもあれば、

スネ夫って
粋な髪形
してるよな
漢字で言うと
「司」に似てる
(古内よう子)

脇キャラを詠みこんだ笑える名作まで。

5・7・5・7・7のリズムに乗せると、普段はなかなか言えない思いを伝えられる。
そんな短歌の魅力にはまった投稿歌人の力作揃いです。

ちなみに、かいげの短歌も2首ほど取り上げてもらいました。
筆名「麦ちよこ」といいます。
ぜひ一度、読んでくださいませ。

(かいげ)

Posted by paradoxparadox on 8 月 8, 2006 at 08:56 午後 カテゴリー: ぶっくりちまくり | | コメント (0)

2006/07/26

想像を創造する会社の創造物。


じつは、わたくしこういうものです


448087332509_scmzzzzzzz__3ないもの、あります

「クラフトエヴィング商會」という会社をご存知ですか?
ひとことで言えば「想像を創造する会社」です。

今回ご紹介するのはその中の一つの創造物である、
「じつは、わたくしこういうものです」という本。

これは、架空の職業を紹介した本。

例えば「果実鑑定士」。
実がなるまえの果樹を見て、いくつの実がなるかを鑑定する職業。

例えば「ひらめきランプ交換人」。
マンガなんかではひらめいたときにランプがピカーン!と光ますよね。
そのランプが古くなると、ひらめきにくくなる。
そんなときに新しい「ひらめきランプ」に交換してくれる職業。

といった具合です。

それぞれに、ちゃんとその職業の人が登場して、
仕事の内容やヤリガイ、難しさなどを語るという形式で書かれています。

暑い日に、クーラーの効いたカフェのソファーに腰掛けて、
暖かいコーヒーを飲みながら読みたい。そんな本です。

「クラフトエヴィング商會」では他にも、
「ないものあります」という本なんかも創造しています。

これは架空の商品の紹介本。

例えば「堪忍袋の緒」。
これが切れたときに取り替えるスペアを紹介しています。

例えば「転ばぬ先の杖」。
もっていると、転ばないんですって。

ちゃんと商品の写真もついているし、詳細なスペックもわかる。
へ~、これってこんな形してたんだぁ・・・なんて新たな発見があります。

こんな魅力的な想像を創造する「クラフトエヴィング商會」。
他にもいろいろ創造していますので、
是非一度お手にとってみてください。

きっと、少し幸せな気分になれますよ。

[くっつん]

Posted by paradoxparadox on 7 月 26, 2006 at 02:49 午後 カテゴリー: ぶっくりちまくり | | コメント (0)

2006/07/14

「触れる」

情報はインターネットから。連絡はメールで。

ここ数年は実際の現物に触れる事もなく、
行ったつもり、見たつもり、食べたつもり。
会ったつもり、話したつもり。つもりつもりつもり…
がつもりつもっているように感じます。

そこで本の紹介です。

1991年にロンドンで開催された
「ヴィジョンズ・オブ・ジャパン」展のカタログ。

プランニング、写真、デザインはアートディレクター矢萩喜従郎氏。

A. 日本文化を伝えるテキスト。
B. 開くと12メートルに及ぶ経本折りの日本紹介写真集。
C. 日本文化に触れられる現物貼り込みつき写真版。
の3冊セットの豪華本になっています。

見る、読む以外に物に触れる気持ちよさを気づかせてくれる1冊です。

もっぱらニュースはインターネットからになってしまった私ですが、
今度の週末は久しぶりに新聞を開いてみようと思います。
あのインクの香りを嗅ぎたくなりました。(宮川)

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Posted by paradoxparadox on 7 月 14, 2006 at 09:26 午前 カテゴリー: ぶっくりちまくり | | コメント (0)

2006/06/09

「大胆な視点の移動」

ダイナミックレンジ、という言葉があります。

オーディオのスペックなどに用いられ、dB(デシベル)という単位で表されます。表現できる小さな音と、大きな音の差がどのくらいあるのか、という幅を指します。いくらコンポの音がよくっても、ライブのほうが感動するのは、このダイナミックレンジの差も大きいんですね。

人に関しても、同じことが言えるんじゃないかと思っています。大胆かつ繊細、その振れ幅のある人は、スケールや器の大きさを感じさせる人が多いですよね。そういう、すごく大きいことと小さいこととか、高いことと低いこととか、主観的と客観的とか、その振れ幅を楽しんでいる作品をご紹介しましょう。こういった視点の移動を楽しめるようになれば、もっと人生が楽しくなると思います。

◎パワーズオブテン
630594387701_sclzzzzzzz__1 数々の建築やインテリアを生み出したイームズ夫妻の実験映画です。極大の宇宙から極小の世界までを一瞬で旅する。同じところを見ているのに、こうも視界が変わってくるのかというところに、大いなる刺激を感じます。



◎GRV1778
Nodg10001_1 タレント化したイラストキャラクター「チャッピー」でお馴染みのグルーヴィジョンの作品。視点の上げ下げが小気味いい、ついつい見入ってしまうカーチェイス作品です。


(鈴木)

Posted by paradoxparadox on 6 月 9, 2006 at 03:23 午後 カテゴリー: ぶっくりちまくり | | コメント (0)

2006/05/16

手紙から花が咲く

Terracard11 「テラカード」はイタリアの建築家、アレサンドロ・コロンボとパオラ・ガルブジロの2人のアイデアから生まれたエコロジカルでハートウォーミングなポストカード。ダンボール製のポストカードの上下の紙の間に種と圧縮された培養土が入っていて、水をあげると芽をだし、花を咲かせます。コトバだけでなく、これから芽を出す新しい生命も運ぶテラカード。受け取った人は、成長する芽を見る度に送り手を想うことでしょう。嫁に送りたい。価格:\735- (小林)

Posted by paradoxparadox on 5 月 16, 2006 at 12:12 午前 カテゴリー: ぶっくりちまくり | | コメント (2)

2006/05/15

FIGHTER

Ehon_3 以前勤めていた会社の先輩が書いた『FIGHTER』という絵本を紹介します。実はこれ、新風舎えほんコンテストの優秀作品。だだ流れていくボクシングの光景。青い男と赤い男。鋭い視線 がかわされ、どちらか倒れるまで激しく殴り合う。迫力あるページ展開に、思わず息を呑んでしまいます。送別会や退職祝いのプレゼントにもオススメの絵本です。(磯野)

著者紹介:家原利明(いえはらとしあき)
作家。イラストレーター。1974年11月19日生まれ。

Posted by パラドックス・クリエイティブ on 5 月 15, 2006 at 11:52 午前 カテゴリー: ぶっくりちまくり | | コメント (0)